ねじ込み型点眼容器キャップの開けやすさに及ぼす開栓トルク値の影響
近年, 医療用点眼剤には種々の形態の点眼容器が市販されており1, 2), 患者が実際に点眼する際のキャップの開栓しやすさや点眼容器の押しやすさ等の使用性は製品ごとにさまざまであることが想定される. 当院採用の市販点眼剤63品目においても, それぞれの容器の形状, 材質および構造は, 同じ5mL容器の製品でも異なっており, それらの使用性も異なるものと思われる. 点眼剤使用の際には点眼容器のキャップの開栓という作業が必要不可欠であるが, 点眼容器のキャップは小さいため, 開栓しがたい形態をしていると考えられる. 加えて, 高齢者においては握力および回転操作力が低下しており3-5), またリウマチ...
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Published in | 医療薬学 Vol. 31; no. 10; pp. 815 - 821 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
2005
日本医療薬学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.31.815 |
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Summary: | 近年, 医療用点眼剤には種々の形態の点眼容器が市販されており1, 2), 患者が実際に点眼する際のキャップの開栓しやすさや点眼容器の押しやすさ等の使用性は製品ごとにさまざまであることが想定される. 当院採用の市販点眼剤63品目においても, それぞれの容器の形状, 材質および構造は, 同じ5mL容器の製品でも異なっており, それらの使用性も異なるものと思われる. 点眼剤使用の際には点眼容器のキャップの開栓という作業が必要不可欠であるが, 点眼容器のキャップは小さいため, 開栓しがたい形態をしていると考えられる. 加えて, 高齢者においては握力および回転操作力が低下しており3-5), またリウマチ患者においては回転操作力が著しく低いことが報告されている6). こうした患者においては点眼容器のキャップの開栓は困難を伴うことが予想される. そのため点眼剤のコンプライアンスの低下を招く可能性も考えられる. したがって, 点眼容器のキャップの開栓に関する研究は点眼剤の使用性の改善如いてはコンプライアンスの向上のために重要であると思われる. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.31.815 |