20年の経過で結節性の多発神経肥厚を認め,運動感覚障害を伴わず神経肥厚による神経根性疼痛を示した慢性炎症性脱髄性多発神経根ニューロパチーの1例
症例は40歳男性.20歳時に慢性炎症性脱髄性多発神経根ニューロパチー(chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy; CIDP)と診断加療された.その後20年間,運動感覚障害をきたさなかったが,胸背部痛で来院した.MRIで全身の神経根で著明な結節性の神経肥厚を認めた.CIDPの電気診断基準ではdefiniteで,Charcot-Marie-Tooth病遺伝子に変異はなく,他の神経肥厚を示す疾患も否定された.CIDPによる多発神経肥厚と診断し,ステロイドパルス療法を行ったところ症状は軽快した.本症例はCIDPで臨床的再発なく経...
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          | Published in | 臨床神経学 Vol. 58; no. 1; pp. 21 - 24 | 
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| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本神経学会
    
        2018
     | 
| Subjects | |
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| ISSN | 0009-918X 1882-0654  | 
| DOI | 10.5692/clinicalneurol.cn-001073 | 
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| Summary: | 症例は40歳男性.20歳時に慢性炎症性脱髄性多発神経根ニューロパチー(chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy; CIDP)と診断加療された.その後20年間,運動感覚障害をきたさなかったが,胸背部痛で来院した.MRIで全身の神経根で著明な結節性の神経肥厚を認めた.CIDPの電気診断基準ではdefiniteで,Charcot-Marie-Tooth病遺伝子に変異はなく,他の神経肥厚を示す疾患も否定された.CIDPによる多発神経肥厚と診断し,ステロイドパルス療法を行ったところ症状は軽快した.本症例はCIDPで臨床的再発なく経過していたが20年後に神経根肥大による神経根性疼痛をきたしたもので,CIDPの長期経過の臨床像で注意すべき病態である. | 
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| ISSN: | 0009-918X 1882-0654  | 
| DOI: | 10.5692/clinicalneurol.cn-001073 |