初期治療が著効したが,発症20年後もQOL障害が残存する軸索型Guillain-Barré症候群36歳男性例
症例は36歳男性.15歳時にIgG抗GM1抗体強陽性のCampylobacter jejuni腸炎後運動軸索型Guillain-Barré症候群(Guillain-Barré syndrome; GBS)を発症した.7回の単純血漿交換で4週間以内に立位保持不能から独歩可能まで回復したが,発症20年後も全力で走れず,神経伝導検査所見の改善は部分的で,IgG抗GM1抗体は弱陽性であった.本例は,初期免疫療法が著効を示しても電気生理学的異常や神経症状が長期に残存し従来の免疫療法のみでは長期的にquality of lifeを改善し得ない症例の存在を示している.また,抗糖脂質抗体の病的意義の解釈にはG...
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| Published in | 臨床神経学 Vol. 58; no. 8; pp. 509 - 512 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本神経学会
2018
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
| DOI | 10.5692/clinicalneurol.cn-001148 |
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| Summary: | 症例は36歳男性.15歳時にIgG抗GM1抗体強陽性のCampylobacter jejuni腸炎後運動軸索型Guillain-Barré症候群(Guillain-Barré syndrome; GBS)を発症した.7回の単純血漿交換で4週間以内に立位保持不能から独歩可能まで回復したが,発症20年後も全力で走れず,神経伝導検査所見の改善は部分的で,IgG抗GM1抗体は弱陽性であった.本例は,初期免疫療法が著効を示しても電気生理学的異常や神経症状が長期に残存し従来の免疫療法のみでは長期的にquality of lifeを改善し得ない症例の存在を示している.また,抗糖脂質抗体の病的意義の解釈にはGBSの既往を確認する必要がある. |
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| ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
| DOI: | 10.5692/clinicalneurol.cn-001148 |