不器用・算数学習困難を主訴とする児に対する学習方略に関する検討
不器用及び算数の学習困難を主訴とする1症例に対して,対象児の認知特性に配慮した学習方略を検討した.対象児は数唱や数字の読み書きや位取りの理解は可能であったが,順序数の理解及び量の意味,数字での大小関係比較も困難であった.また,視空間認知や空間認知においても弱さを呈しており,図形の異同弁別の理解は可能であるが,目と手の協調運動及び実際に図形を正確に描く際に不器用さから道具操作を適切に使用しながらの模写や描画が苦手であった.今回の主訴が「割り算が出来ない」であったことより,計算能力の向上を目的とした訓練を実施した.段階式に訓練を実施する中で,視覚的補助を減少させていくことにより計算作業の短縮化及び...
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| Published in | 高知リハビリテーション学院紀要 Vol. 12; pp. 13 - 19 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
学校法人高知学園 高知リハビリテーション学院
31.03.2011
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| Subjects | |
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| ISSN | 1345-5648 2433-4553 |
| DOI | 10.15028/kochireha.12.0_13 |
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| Summary: | 不器用及び算数の学習困難を主訴とする1症例に対して,対象児の認知特性に配慮した学習方略を検討した.対象児は数唱や数字の読み書きや位取りの理解は可能であったが,順序数の理解及び量の意味,数字での大小関係比較も困難であった.また,視空間認知や空間認知においても弱さを呈しており,図形の異同弁別の理解は可能であるが,目と手の協調運動及び実際に図形を正確に描く際に不器用さから道具操作を適切に使用しながらの模写や描画が苦手であった.今回の主訴が「割り算が出来ない」であったことより,計算能力の向上を目的とした訓練を実施した.段階式に訓練を実施する中で,視覚的補助を減少させていくことにより計算作業の短縮化及び視覚的イメージ化の促進を図った.その結果,割り切れる割算計算(2桁÷1桁)において,短期間での向上が見られた. |
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| ISSN: | 1345-5648 2433-4553 |
| DOI: | 10.15028/kochireha.12.0_13 |