下肢pedaling 運動における体幹筋群皮膚反射の変化

ヒトの歩行では,四肢間に位相依存的な協調運動が観察されるが,その神経回路網の詳細は不明な点が多い.本研究では,下肢の律動的な運動が体幹筋群へどのような影響を与えているのかを下肢pedaling運動を用いて明らかにすることを目的とした.【対象および方法】下肢に神経疾患のない健常成人7名を対象に,下肢の皮膚神経を電気刺激し,その際に下肢pedaling課題とstationary課題を行ない,体幹筋群へ与える影響について皮膚反射を指標に検討した.【結果】体幹筋群の皮膚反射は,潜時約80-120msに顕著であった.各運動課題の比較では,pedaling課題とstationary課題を行なったが,ped...

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Published inBiophilia Rehabilitation Conference Proceedings Vol. 2010; p. 43
Main Authors 大塚, 裕之, 倉林, 準, 笹田, 周作, 八並, 光信, 大森, 茂樹, 小宮山, 伴与志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published バイオフィリア リハビリテーション学会 2010
Biophilia Rehabilitation Academy
Subjects
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ISSN1884-8699
DOI10.14911/biophilia.2010.0.43.0

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Summary:ヒトの歩行では,四肢間に位相依存的な協調運動が観察されるが,その神経回路網の詳細は不明な点が多い.本研究では,下肢の律動的な運動が体幹筋群へどのような影響を与えているのかを下肢pedaling運動を用いて明らかにすることを目的とした.【対象および方法】下肢に神経疾患のない健常成人7名を対象に,下肢の皮膚神経を電気刺激し,その際に下肢pedaling課題とstationary課題を行ない,体幹筋群へ与える影響について皮膚反射を指標に検討した.【結果】体幹筋群の皮膚反射は,潜時約80-120msに顕著であった.各運動課題の比較では,pedaling課題とstationary課題を行なったが,pedaling課題において有意な反射振幅の増大が認められた.【考察】体幹筋群における皮膚反射は,下肢の皮膚神経を電気刺激により誘発する事が可能であると考えられた.体幹筋群を支配する運動ニューロンは,下肢のパターン発信に関わる神経機構の影響下にある事が示唆された.
ISSN:1884-8699
DOI:10.14911/biophilia.2010.0.43.0