皮膚脆弱性を認める下腿切断に対して早期に練習用仮義足を作製した一例 皮膚剪断力軽減目的のダブルインサート法
【目的】断端の未成熟や植皮瘢痕・潰瘍部分,骨の突出部の影響で皮膚トラブルを生じやすい状態であった左下腿切断術を施行された症例に対し,ライナーやソケット形状に工夫を施し早期練習用Patella Tendon Bearing(PTB)式仮義足を作製することを目的とした。【方法】ソケット内でのピストン運動により植皮瘢痕部の皮膚トラブルを認めたため,皮膚剪断力の軽減を狙ったコポリマーライナーとPEライトインサートの二重構造からなるダブルインサート用いてソケットに装着する方式を考案し,早期義足練習を行った。【結果】歩行後における創部滲出液の流出減少を認め,日を追うごとに皮膚の治癒傾向を認めたため,断端皮...
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| Published in | 理学療法学 Vol. 50; no. 6; pp. 251 - 255 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人日本理学療法学会連合
20.12.2023
日本理学療法学会連合 |
| Subjects | |
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| ISSN | 0289-3770 2189-602X |
| DOI | 10.15063/rigaku.12426 |
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| Summary: | 【目的】断端の未成熟や植皮瘢痕・潰瘍部分,骨の突出部の影響で皮膚トラブルを生じやすい状態であった左下腿切断術を施行された症例に対し,ライナーやソケット形状に工夫を施し早期練習用Patella Tendon Bearing(PTB)式仮義足を作製することを目的とした。【方法】ソケット内でのピストン運動により植皮瘢痕部の皮膚トラブルを認めたため,皮膚剪断力の軽減を狙ったコポリマーライナーとPEライトインサートの二重構造からなるダブルインサート用いてソケットに装着する方式を考案し,早期義足練習を行った。【結果】歩行後における創部滲出液の流出減少を認め,日を追うごとに皮膚の治癒傾向を認めたため,断端皮膚面の剪断力が軽減されたと示唆された。【結語】皮膚脆弱性を認める下腿切断例に対して,早期に練習用下腿義足を作製する際は,ダブルインサート法を選択の一手にできると考えられた。 |
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| ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
| DOI: | 10.15063/rigaku.12426 |