活動の始まりの頃2女性薬物依存者の回復と自立の支援のために ダルク女性ハウスと上岡陽江
I.「故意に自分の健康を害する」行為としての薬物乱用 周知のように平成10年より10年間にわたって, わが国の自殺者数は3万人を超えた状態のまま, 高止まりで推移している. これに対してメンタルヘルス領域の対策としては, 早くから「うつ病」に関するメンタルヘルス・プロモーションが行われてきたものの, あまりにうつ病に偏りすぎている印象は否めないのが実情である. まるでうつ病をおいて他には重要な精神障害はないといわんばかりである. こうした事態はメンタルヘルス専門家の「否認」以外の何ものでもない. 意外に知られていないことだが, 海外の自殺予防対策においては, 自殺に関係する精神障害といえば,...
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| Published in | こころの健康 Vol. 23; no. 2; pp. 21 - 27 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本精神衛生学会
2008
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0912-6945 2186-0246 |
| DOI | 10.11383/kokoronokenkou1986.23.2_21 |
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| Summary: | I.「故意に自分の健康を害する」行為としての薬物乱用 周知のように平成10年より10年間にわたって, わが国の自殺者数は3万人を超えた状態のまま, 高止まりで推移している. これに対してメンタルヘルス領域の対策としては, 早くから「うつ病」に関するメンタルヘルス・プロモーションが行われてきたものの, あまりにうつ病に偏りすぎている印象は否めないのが実情である. まるでうつ病をおいて他には重要な精神障害はないといわんばかりである. こうした事態はメンタルヘルス専門家の「否認」以外の何ものでもない. 意外に知られていないことだが, 海外の自殺予防対策においては, 自殺に関係する精神障害といえば, 必ずうつ病とともに, アルコールや薬物などの物質関連障害があげられている. にもかかわらず, わが国の自殺対策ではそうした視点からの施策は, ほとんど皆無といってよい状況にある. それでも, アルコール関連障害の場合はまだましかもしれない. |
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| ISSN: | 0912-6945 2186-0246 |
| DOI: | 10.11383/kokoronokenkou1986.23.2_21 |