Multigated Doppler Ultrasoundによる微小塞栓信号の自動検出精度に関する検討

Multigated Dopplerによる微小塞栓信号の自動検出に際し,感度設定が検出精度にいかなる影響を与えるかについて,健常者4例,脳梗塞患者4例を対象とした検討を行った.健常者では,多数の信号が自動検出されたが信号強度はすべて10dB以下で,chirp音を伴う高輝度信号(MES)やchirp音を伴わない高輝度信号(weak HITS)はなかった.脳梗塞例では,抗血小板薬服用前,MESとweak HITS計17個(信号強度8dB以上)がみられたが,このうち8個は自動検出されなかった.自動検出されなかった信号の背景流速は有意に遅かった.抗血小板薬服用後,MESとweak HITSは全て消失し...

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Published in脳卒中 Vol. 22; no. 3; pp. 395 - 402
Main Authors 金藤, 公人, 矢坂, 正弘, 長束, 一行, 山上, 宏, 成冨, 博章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2000
日本脳卒中学会
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.22.395

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Summary:Multigated Dopplerによる微小塞栓信号の自動検出に際し,感度設定が検出精度にいかなる影響を与えるかについて,健常者4例,脳梗塞患者4例を対象とした検討を行った.健常者では,多数の信号が自動検出されたが信号強度はすべて10dB以下で,chirp音を伴う高輝度信号(MES)やchirp音を伴わない高輝度信号(weak HITS)はなかった.脳梗塞例では,抗血小板薬服用前,MESとweak HITS計17個(信号強度8dB以上)がみられたが,このうち8個は自動検出されなかった.自動検出されなかった信号の背景流速は有意に遅かった.抗血小板薬服用後,MESとweak HITSは全て消失したが,他の自動検出信号は不変であった.MES,weak HITSはいずれも微小塞栓を反映していると思われる.現在の自動検出機能は遅い血流速や強度設定に影響されて,これらの信号を見逃したり過剰検知する可能性が強く,改善を要する.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.22.395