急性期椎骨脳底動脈域狭窄・閉塞に対する脳血管内手術

急性期椎骨脳底動脈域狭窄・閉塞に対する脳血管内手術6症例(7回)の検討を行った.年齢は56~77歳(平均68歳),全例男性.病変部位は椎骨動脈(以下VA)2例(3回),脳底動脈(以下BA)3例,後大脳動脈1例.GOS,狭窄の改善率,NIHSSの改善度について検討した.結果,GR3例,MDl例,SD1例,DI例であり,狭窄改善率は0~80%(平均63%)であった.平均NIHSSは術前24,術後16であり改善傾向を認めた.術前のNIHSS23点以上の重症例3例に関しては,急性期血行再建を行ってもD1例,SD2例と予後不良であり,重症例については急性期血管内治療による血行再建術の適応は乏しいと考えら...

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Published in脳卒中 Vol. 27; no. 3; pp. 389 - 395
Main Authors 村田, 敬二, 中村, 一仁, 松尾, 崇史, 寺川, 雄三, 阪口, 正和, 一ノ瀬, 努, 正村, 清弥, 川上, 太一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2005
日本脳卒中学会
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.27.389

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Summary:急性期椎骨脳底動脈域狭窄・閉塞に対する脳血管内手術6症例(7回)の検討を行った.年齢は56~77歳(平均68歳),全例男性.病変部位は椎骨動脈(以下VA)2例(3回),脳底動脈(以下BA)3例,後大脳動脈1例.GOS,狭窄の改善率,NIHSSの改善度について検討した.結果,GR3例,MDl例,SD1例,DI例であり,狭窄改善率は0~80%(平均63%)であった.平均NIHSSは術前24,術後16であり改善傾向を認めた.術前のNIHSS23点以上の重症例3例に関しては,急性期血行再建を行ってもD1例,SD2例と予後不良であり,重症例については急性期血管内治療による血行再建術の適応は乏しいと考えられた.しかし,NIHSS中等例についてはPTAを中心とした急性期椎骨脳底動脈狭窄・閉塞に対する血管内手術は血行再建術の有効な手段であり,その予後改善効果を期待できる治療であると思われる.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.27.389