慢性肺疾患患者の血行動態と血液ガスに対する運動負荷の影響

慢性肺疾患患者15例について運動負荷による血行動態と血液ガスの変化を検討し, 次の結果を得た. 1)運動負荷によりPaO2が低下した群(B群)は上昇した群(A群)に比して, 安静時の心拍数が有意に多く, %肺活量(%VC)は有意に低かつた. 2)安静, 負荷後ともに, 心拍数は平均肺動脈圧, 心拍出量との間に有意の正相関関係を, PaO2, SaO2との間には有意の負の相関関係を認めた. 3)安静, 負荷後ともに, %VCは心拍数, 平均肺動脈圧との間に有意の負の相関関係を, PaO2との間には有意の正相関関係を認めた. 4)安静時の右室駆出率は両群共に正常であつたが, 運動負荷後, B群はA...

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Published in医療 Vol. 44; no. 10; pp. 978 - 984
Main Authors 師富, 邦夫, 赤星, 隆一郎, 池尻, 公二, 吉村, 力也, 吉田, 康洋, 杉浦, 龍登
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1990
国立医療学会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.44.978

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Summary:慢性肺疾患患者15例について運動負荷による血行動態と血液ガスの変化を検討し, 次の結果を得た. 1)運動負荷によりPaO2が低下した群(B群)は上昇した群(A群)に比して, 安静時の心拍数が有意に多く, %肺活量(%VC)は有意に低かつた. 2)安静, 負荷後ともに, 心拍数は平均肺動脈圧, 心拍出量との間に有意の正相関関係を, PaO2, SaO2との間には有意の負の相関関係を認めた. 3)安静, 負荷後ともに, %VCは心拍数, 平均肺動脈圧との間に有意の負の相関関係を, PaO2との間には有意の正相関関係を認めた. 4)安静時の右室駆出率は両群共に正常であつたが, 運動負荷後, B群はA群と異なり有意に駆出率が低下した.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.44.978