血球貪食症候群を伴った犬の大型未分化細胞性リンパ腫の2例

再生性貧血と血小板減少症がみられた2例の犬において顕著な脾腫が認められた。超音波検査において脾臓に腫瘤性病変が確認されたため,脾臓の摘出を実施した。脾臓病変部の細胞は通常のリンパ腫細胞とは明らかに異なり,大型で細胞質は広く,好塩基性が強く,空胞がみられた。さらに血球の貪食像がしばしば認められた。病理組織学的に組織球肉腫(HS)が疑われた。しかしPCR解析によりT細胞およびB細胞のクローン性の増殖がそれぞれの症例で証明された。細胞の形態学的特徴から新Kiel分類により大型未分化細胞性(Large cell Anaplastic)リンパ腫と診断した。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in動物臨床医学 Vol. 18; no. 2; pp. 41 - 46
Main Authors 中道, 潤, 安川, 邦美, 福井, 健太, 森下, 啓太郎, 下田, 哲也, 政次, 英明, 大東, 勇介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 動物臨床医学会 2009
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1344-6991
1881-1574
DOI10.11252/dobutsurinshoigaku.18.41

Cover

More Information
Summary:再生性貧血と血小板減少症がみられた2例の犬において顕著な脾腫が認められた。超音波検査において脾臓に腫瘤性病変が確認されたため,脾臓の摘出を実施した。脾臓病変部の細胞は通常のリンパ腫細胞とは明らかに異なり,大型で細胞質は広く,好塩基性が強く,空胞がみられた。さらに血球の貪食像がしばしば認められた。病理組織学的に組織球肉腫(HS)が疑われた。しかしPCR解析によりT細胞およびB細胞のクローン性の増殖がそれぞれの症例で証明された。細胞の形態学的特徴から新Kiel分類により大型未分化細胞性(Large cell Anaplastic)リンパ腫と診断した。
ISSN:1344-6991
1881-1574
DOI:10.11252/dobutsurinshoigaku.18.41