高校柔道選手に生じた肩腱板腱内断裂の1例

若年者に生じた肩腱板腱内断裂の1例を経験したので報告する.症例は,16歳,女子,高校2年生の柔道部員であった.主訴は,右肩痛と挙上困難であった.現病歴は,柔道の試合中に投げ技を受け外転を強制され受傷した.右肩痛が出現し挙上困難となったため,近医を受診後,当科へ紹介となった.初診時,インピンジメント徴候と上腕骨大結節部の圧痛を認め,棘上筋テストは陰性であった.MRIにて棘上筋腱内に水平な高信号域を認めたため,棘上筋腱内断裂と診断した.関節鏡視下での試験切開にて同病変の同定が可能であり,修復術を行った.術後経過は良好であり,術後4カ月の時点でMRIにて修復像を認め,柔道に復帰した.肩腱板腱内断裂の...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 61; no. 4; pp. 754 - 757
Main Authors 水田, 博志, 井手, 淳二, 有村, 仁志, 鬼木, 泰成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2012
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.61.754

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Summary:若年者に生じた肩腱板腱内断裂の1例を経験したので報告する.症例は,16歳,女子,高校2年生の柔道部員であった.主訴は,右肩痛と挙上困難であった.現病歴は,柔道の試合中に投げ技を受け外転を強制され受傷した.右肩痛が出現し挙上困難となったため,近医を受診後,当科へ紹介となった.初診時,インピンジメント徴候と上腕骨大結節部の圧痛を認め,棘上筋テストは陰性であった.MRIにて棘上筋腱内に水平な高信号域を認めたため,棘上筋腱内断裂と診断した.関節鏡視下での試験切開にて同病変の同定が可能であり,修復術を行った.術後経過は良好であり,術後4カ月の時点でMRIにて修復像を認め,柔道に復帰した.肩腱板腱内断裂の症例報告数は少なく,かつ16歳という若年者での報告はない.本症例は腱板に加齢性変化は無く,外傷性に生じたものと考えられた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.61.754