病院薬剤師における業務内容の分類法と定量的分析

「緒言」 近年における医療環境の変化は薬剤師業務の変革と職能の拡大をもたらしている1). 病院薬剤師の業務が実質的に変化したのは, 病棟業務への参画が活発になった昭和63年頃と考えられる. 平成12年度には薬剤管理指導料として患者1人につき週1回に350点, 月4回を限度として請求が可能となり, 診療報酬上も評価が定着してきていることが示されている2). 一方, 平成10年の薬剤師新設置基準では, 入院は一般病床患者70人に1人, 外来は処方せん75枚に1人とされ, 人員配置では現状より厳しい評価になり, 大きな論議を生むことになった3). このような状況に対して, 日本病院薬剤師会では病院薬...

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Published in医療薬学 Vol. 27; no. 3; pp. 193 - 204
Main Authors 濱井, 妙子, 見崎, 芳枝, 西垣, 克, 志賀, 由美, 木村, 緑, 鈴木, 崇代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2001
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.27.193

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Summary:「緒言」 近年における医療環境の変化は薬剤師業務の変革と職能の拡大をもたらしている1). 病院薬剤師の業務が実質的に変化したのは, 病棟業務への参画が活発になった昭和63年頃と考えられる. 平成12年度には薬剤管理指導料として患者1人につき週1回に350点, 月4回を限度として請求が可能となり, 診療報酬上も評価が定着してきていることが示されている2). 一方, 平成10年の薬剤師新設置基準では, 入院は一般病床患者70人に1人, 外来は処方せん75枚に1人とされ, 人員配置では現状より厳しい評価になり, 大きな論議を生むことになった3). このような状況に対して, 日本病院薬剤師会では病院薬剤師業務のガイドラインを発表し, チーム医療における病院薬剤師の職能を薬学および医療経済的貢献への期待として明確に提言している. 今後, 薬剤師資質の向上と病院機能に応じた業務展開が重要な課題となる. 医療制度の抜本的改革が進められる中で, 病院薬剤師の医療サービスにおける役割や業務のあり方が従来以上に検討される必要性がある.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.27.193