副腎腫瘍による腹腔内出血がみられた犬の1例

他院にて腹腔内に腫瘤性病変と出血が認められた13歳2カ月齢,避妊雌のラブラドール・レトリバーがセカンドオピニオンで来院した。CT検査により腹腔内腫瘤は左側の副腎腫瘍と診断し,その摘出術を実施した。病理組織学的検査から副腎腺腫が強く疑われた。術前のアルカリフォスファターゼと総コレステロールは高値を示しており,術後に食欲不振や下痢が持続して認められ,ACTH刺激試験では血清コルチゾールは低値を示したことから,副腎の腫瘍は機能性で,それを摘出したことにより一時的な副腎皮質機能不全の状態に陥ったものと考えられた。症例は治療開始から約16カ月が経過し一般状態は良好に維持されている。...

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Published in動物臨床医学 Vol. 21; no. 4; pp. 190 - 194
Main Authors 安川, 邦美, 植野, 孝志, 長屋, 有祐, 田端, 克俊, 森下, 啓太郎, 下田, 哲也, 小路, 祐樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 動物臨床医学会 2012
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ISSN1344-6991
1881-1574
DOI10.11252/dobutsurinshoigaku.21.190

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Summary:他院にて腹腔内に腫瘤性病変と出血が認められた13歳2カ月齢,避妊雌のラブラドール・レトリバーがセカンドオピニオンで来院した。CT検査により腹腔内腫瘤は左側の副腎腫瘍と診断し,その摘出術を実施した。病理組織学的検査から副腎腺腫が強く疑われた。術前のアルカリフォスファターゼと総コレステロールは高値を示しており,術後に食欲不振や下痢が持続して認められ,ACTH刺激試験では血清コルチゾールは低値を示したことから,副腎の腫瘍は機能性で,それを摘出したことにより一時的な副腎皮質機能不全の状態に陥ったものと考えられた。症例は治療開始から約16カ月が経過し一般状態は良好に維持されている。
ISSN:1344-6991
1881-1574
DOI:10.11252/dobutsurinshoigaku.21.190