骨巨細胞腫に対する治療法の検討

骨巨細胞腫は良性腫瘍ではあるが,再発率の高さから種々の治療法が検討されてきた.今回,当科での治療成績について検討した.【方法】2005年から2010年の間に,当科で手術した15例を対象とした.男性7例,女性8例,手術時平均年齢は38歳.発生部位は,大腿骨5例,脛骨2例,腓骨1例,撓骨4例,上腕骨1例,腸骨1例,仙骨1例.術後経過観察期間は平均43カ月であった.【成績】10例に対し病巣掻爬術,5例に対し切除術を行った.病巣掻爬術には全例骨セメント充填を行った.再発は3例に認め,病巣掻爬+骨セメント充填術にて2例,切除を行なった症例で1例であった.【結論】切除術は再発を防ぐ目的では掻爬術より優れる...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 61; no. 3; pp. 592 - 594
Main Authors 小宮, 節郎, 海江田, 英泰, 有島, 善也, 篠原, 直弘, 永野, 聡, 佐々木, 裕美, 嶋田, 博文, 横内, 雅博, 坂元, 裕一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2012
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.61.592

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Summary:骨巨細胞腫は良性腫瘍ではあるが,再発率の高さから種々の治療法が検討されてきた.今回,当科での治療成績について検討した.【方法】2005年から2010年の間に,当科で手術した15例を対象とした.男性7例,女性8例,手術時平均年齢は38歳.発生部位は,大腿骨5例,脛骨2例,腓骨1例,撓骨4例,上腕骨1例,腸骨1例,仙骨1例.術後経過観察期間は平均43カ月であった.【成績】10例に対し病巣掻爬術,5例に対し切除術を行った.病巣掻爬術には全例骨セメント充填を行った.再発は3例に認め,病巣掻爬+骨セメント充填術にて2例,切除を行なった症例で1例であった.【結論】切除術は再発を防ぐ目的では掻爬術より優れるが,再建術を要するため機能障害も危惧される.今回,掻爬+骨セメントでも良好な成績が得られており,関節機能の温存の点から術式選択を検討する必要があると考えられた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.61.592