急性期脳卒中診療におけるプレホスピタルの現状と課題

2016年5月から2019年3月までの期間に当院に救急搬送された症例について救急隊のトリアージと最終診断の相違を検証した.脳卒中疑いで搬送された症例の約30%は脳卒中以外の多様な疾患だった.また脳卒中を疑われずに搬送された症例の一部は,機械的血栓回収療法を施行した脳主幹動脈閉塞症例であり,脳卒中疑いで搬送された症例に比べて来院から治療までの時間が有意に長かった.脳卒中以外の多様な疾患も幅広く受け入れること,麻痺や皮質症状など治療が必要な脳梗塞を疑う症状の重要性を救急隊に啓発し,継続的なフィードバックを行うことがより良いプレホスピタルの実現に必要と考えられた....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in臨床神経学 Vol. 61; no. 2; pp. 103 - 108
Main Authors 藤原, 悟, 有吉, 孝一, 黒田, 健仁, 幸原, 伸夫, 坂谷, 朋子, 坂井, 信幸, 尾原, 信行, 村上, 泰隆, 今村, 博敏, 川本, 未知
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2021
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-001487

Cover

More Information
Summary:2016年5月から2019年3月までの期間に当院に救急搬送された症例について救急隊のトリアージと最終診断の相違を検証した.脳卒中疑いで搬送された症例の約30%は脳卒中以外の多様な疾患だった.また脳卒中を疑われずに搬送された症例の一部は,機械的血栓回収療法を施行した脳主幹動脈閉塞症例であり,脳卒中疑いで搬送された症例に比べて来院から治療までの時間が有意に長かった.脳卒中以外の多様な疾患も幅広く受け入れること,麻痺や皮質症状など治療が必要な脳梗塞を疑う症状の重要性を救急隊に啓発し,継続的なフィードバックを行うことがより良いプレホスピタルの実現に必要と考えられた.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001487