茨城県筑波台地に分布する中-上部更新統下総層群の層序の再検討

茨城県筑波台地の地下に分布する中-上部更新統下総層群の層序の再検討を行った.ボーリングコア試料に海進海退によって形成された堆積サイクルI-Vを認識し,挟在するテフラ及び花粉化石分析の結果をもとに層序対比を検討したところ,これらの堆積サイクルが下位より順に,下総層群薮層,上泉層,清川層,木下層,常総層に対比されることが明らかとなった.従来の解釈と大きく異なるのは,上岩橋層(MIS 7)とされていた谷埋め堆積物が木下層(MIS 5e)に対比されたことである.埋積されている谷地形はMIS 6に形成されたと考えられる.このことは過去40万年間においてMIS 2と並ぶ低海水準期がMIS 6であること,ま...

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Published in地質学雑誌 Vol. 124; no. 5; pp. 331 - 346
Main Authors 坂田, 健太郎, 納谷, 友規, 本郷, 美佐緒, 中里, 裕臣, 中澤, 努
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地質学会 15.05.2018
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ISSN0016-7630
1349-9963
DOI10.5575/geosoc.2017.0076

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Summary:茨城県筑波台地の地下に分布する中-上部更新統下総層群の層序の再検討を行った.ボーリングコア試料に海進海退によって形成された堆積サイクルI-Vを認識し,挟在するテフラ及び花粉化石分析の結果をもとに層序対比を検討したところ,これらの堆積サイクルが下位より順に,下総層群薮層,上泉層,清川層,木下層,常総層に対比されることが明らかとなった.従来の解釈と大きく異なるのは,上岩橋層(MIS 7)とされていた谷埋め堆積物が木下層(MIS 5e)に対比されたことである.埋積されている谷地形はMIS 6に形成されたと考えられる.このことは過去40万年間においてMIS 2と並ぶ低海水準期がMIS 6であること,またこの谷の埋積層である木下層下部が千葉県や埼玉県下に分布していることとも調和的である.
ISSN:0016-7630
1349-9963
DOI:10.5575/geosoc.2017.0076