第3病日に診断を確定し, 救命し得た重症レジオネラ肺炎の1例

「I 緒言」レジオネラ菌属は鞭毛を有する好気性グラム陰性桿菌で, このレジオネラを起因菌とする肺炎は市中肺炎の2~9%を占める1). 1976年, 米国フィラデルフィアでの集団発生が最初の報告である2). 現在ではレジオネラ菌属は, 52菌種に分類されているが(http://www.bacterio.cict.fr/l/legionella.html), レジオネラ肺炎の患者から同定される菌種の多くをLegionella pneumophilaが占めている. Legionella pneumophilaはさらに15種類の血清群に分類され, 我が国では血清群1, 5, 3, 2の順に頻度が高く3...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in信州医学雑誌 Vol. 59; no. 1; pp. 27 - 31
Main Authors 山田重徳, 城下智, 村木崇, 山田雪, 岩谷勇吾, 横沢秀一, 古川賢一, 石田文宏, 田中榮司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 信州医学会 2011
Online AccessGet full text
ISSN0037-3826
DOI10.11441/shinshumedj.59.27

Cover

More Information
Summary:「I 緒言」レジオネラ菌属は鞭毛を有する好気性グラム陰性桿菌で, このレジオネラを起因菌とする肺炎は市中肺炎の2~9%を占める1). 1976年, 米国フィラデルフィアでの集団発生が最初の報告である2). 現在ではレジオネラ菌属は, 52菌種に分類されているが(http://www.bacterio.cict.fr/l/legionella.html), レジオネラ肺炎の患者から同定される菌種の多くをLegionella pneumophilaが占めている. Legionella pneumophilaはさらに15種類の血清群に分類され, 我が国では血清群1, 5, 3, 2の順に頻度が高く3), 血清群1による感染は, レジオネラ肺炎全体の80%以上を占めている4). レジオネラ肺炎は, 的確な診断と適切な抗菌薬投与が行われないと死亡率80%と報告されている. また, 適切な抗菌薬投与が行われても死亡率6%との報告もある5).
ISSN:0037-3826
DOI:10.11441/shinshumedj.59.27