線形テスト理論モデルにおけるベイズ推定
1.問題と目的 教育・心理測定の分野において, 複数のテストを用いて, 被験者のある1つの特性を測ろうとする際に, 同族テストモデル(Joreskog, 1971)を利用することが多い. このモデルは xij =αj +βj θi eij (1)と表される. ここで, xij は被験者iのテストjの得点で, θiは被験者iの1次元の特性であり, αj はテストごとの平均であり, βj はθi にかかる重みで, αj +βj θi は真の得点にあたる. ここでeij は誤差成分で, それぞれの誤差ei1 , ei2 , ..., eip は互いに独立であると仮定されている. 入学試験などの実際の...
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          | Published in | 行動計量学 Vol. 24; no. 1; pp. 87 - 100 | 
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| Main Author | |
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本行動計量学会
    
        1997
     | 
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| ISSN | 0385-5481 1880-4705  | 
| DOI | 10.2333/jbhmk.24.87 | 
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| Summary: | 1.問題と目的 教育・心理測定の分野において, 複数のテストを用いて, 被験者のある1つの特性を測ろうとする際に, 同族テストモデル(Joreskog, 1971)を利用することが多い. このモデルは xij =αj +βj θi eij (1)と表される. ここで, xij は被験者iのテストjの得点で, θiは被験者iの1次元の特性であり, αj はテストごとの平均であり, βj はθi にかかる重みで, αj +βj θi は真の得点にあたる. ここでeij は誤差成分で, それぞれの誤差ei1 , ei2 , ..., eip は互いに独立であると仮定されている. 入学試験などの実際のテスト状況では, 順位を決めるために能力の1次元的な評価に式(1)が役にたつと考えられる. しかし, 実際のテストデータでは, これらの誤差成分が必ずしも互いに独立ではない状況がしばしば起こる(渡部・平・井上, 1988). | 
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| ISSN: | 0385-5481 1880-4705  | 
| DOI: | 10.2333/jbhmk.24.87 |