ごま油香気成分のGCデータの多変量解析

ごま油製造時に特徴的なロースト香をだす為に種々の技術を用いて焙煎を行っている。香りの質や強度に大きな影響を及ぼすことから, 焙煎はごま油製造工程中で最も重要である。本報では, ごま種子を熱風及び遠赤外線で焙煎した時の揮発性香気成分の組成に及ぼす影響について検討を行った。減圧水蒸気蒸留法とカラム濃縮法を組み合わせることにより, ごま油から揮発性成分を分離し, GC並びにGC-MSで分析を行った。ごま油サンプル29種類の37揮発性成分のGC定量値を主成分分析に供した。GC定量値の47.5%が第1主成分に, 14.3%が第2主成分に要約された。熱風焙煎と遠赤外線焙煎の2方法により得られたごま油は,...

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Published in日本油化学会誌 Vol. 47; no. 3; pp. 257 - 261,291
Main Authors 筬島, 豊, 林, 寿一, 下田, 満哉, 中田, 勇二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本油化学会 1998
日本油化学会
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ISSN1341-8327
1884-1996
DOI10.5650/jos1996.47.257

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Summary:ごま油製造時に特徴的なロースト香をだす為に種々の技術を用いて焙煎を行っている。香りの質や強度に大きな影響を及ぼすことから, 焙煎はごま油製造工程中で最も重要である。本報では, ごま種子を熱風及び遠赤外線で焙煎した時の揮発性香気成分の組成に及ぼす影響について検討を行った。減圧水蒸気蒸留法とカラム濃縮法を組み合わせることにより, ごま油から揮発性成分を分離し, GC並びにGC-MSで分析を行った。ごま油サンプル29種類の37揮発性成分のGC定量値を主成分分析に供した。GC定量値の47.5%が第1主成分に, 14.3%が第2主成分に要約された。熱風焙煎と遠赤外線焙煎の2方法により得られたごま油は, 第1主成分と第2主成分からなる散布図上で識別が可能であり, 個々のごま油についても焙煎強度に応じてプロットすることが可能であった。熱風焙煎ごま油は焙煎強度の増加により, 15成分がほとんど同じ割合で増加し, 遠赤外線焙煎ごま油は焙煎強度の増加により, 11成分が別々に増加することが主成分負荷量から明らかとなった。
ISSN:1341-8327
1884-1996
DOI:10.5650/jos1996.47.257