赤血球輸血に対する白血球除去フィルターと輸液ポンプの併用に関する検討

輸血施行時には患者の病態にあわせて適切な輸血速度で輸血を行うことが患者の安全を確保するうえで極めて重要である. 輸液ポンプは輸液を正確な液量で送液するために用いられるが, 送液のシステムとしてペリスタリック方式, すなわち輸液セットのチューブを複数の丸棒が送液方向へ波動状に働きながら完全閉塞のかたちで順次押し潰していくことでチューブ内の輸液を押し出す方法, が主に採用されている1). 輸液ポンプはMAP血などの輸血用血液製剤の使用について必ずしも考慮されずに販売されているため, 血液製剤使用時のポンプによる機械的溶血などの危険性については不明な点が多い. 最近, ペリスタリック方式の輸液ポンプ...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 49; no. 3; pp. 449 - 454
Main Authors 藤野, 真治, 森野, 咲子, 邊見, 順子, 高木, 省治郎, 武関, 雄二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 2003
日本輸血学会
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ISSN0546-1448
1883-8383
DOI10.3925/jjtc1958.49.449

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Summary:輸血施行時には患者の病態にあわせて適切な輸血速度で輸血を行うことが患者の安全を確保するうえで極めて重要である. 輸液ポンプは輸液を正確な液量で送液するために用いられるが, 送液のシステムとしてペリスタリック方式, すなわち輸液セットのチューブを複数の丸棒が送液方向へ波動状に働きながら完全閉塞のかたちで順次押し潰していくことでチューブ内の輸液を押し出す方法, が主に採用されている1). 輸液ポンプはMAP血などの輸血用血液製剤の使用について必ずしも考慮されずに販売されているため, 血液製剤使用時のポンプによる機械的溶血などの危険性については不明な点が多い. 最近, ペリスタリック方式の輸液ポンプを改良し, 輸液チユーブを完全閉塞させないで送液できるミッドプレス方式の輸液ポンプが開発されている1). 輸液チューブを完全閉塞させない機構は, MAP血などの赤血球製剤を使用した場合には溶血などの副作用がより生じにくいと考えられる. そこで今回われわれは, MAP血にミッドプレス方式の輸液ポンプと各種白血球除去フィルターを併用して使用した場合の輸血速度をはじめとして, 溶血などの血液製剤への影響および白血球除去能について検討したので報告する.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.49.449