内痔核症例における肛門管粘膜下層の厚さに関する検討

目的:内痔核の重症度は脱出程度によって診断するGoligher分類を用いるのが一般的で,内痔核の大きさや厚みを定量化した報告はない.今回,内痔核症例における肛門管の粘膜下層(SM層)の厚さを測定し,その値とGoligher分類との関係を検討した.対象:内痔核と診断され肛門管超音波検査を試みた492例のうち,同検査が施行可能であった376例(1度28例,2度51例,3度287例,4度10例).方法:外径20mmのコンベックス(周波数10MHz)·リニアプローブ(周波数12MHz)を用いて肛門管全域を観察し,SM層が最も厚い部分を計測しSM厚とした.結果:1度から4度のSM厚は,それぞれ2.30±...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 62; no. 8; pp. 502 - 505
Main Authors 佐藤, ゆりか, 鉢呂, 芳一, 國本, 正雄, 安部, 達也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2009
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.62.502

Cover

More Information
Summary:目的:内痔核の重症度は脱出程度によって診断するGoligher分類を用いるのが一般的で,内痔核の大きさや厚みを定量化した報告はない.今回,内痔核症例における肛門管の粘膜下層(SM層)の厚さを測定し,その値とGoligher分類との関係を検討した.対象:内痔核と診断され肛門管超音波検査を試みた492例のうち,同検査が施行可能であった376例(1度28例,2度51例,3度287例,4度10例).方法:外径20mmのコンベックス(周波数10MHz)·リニアプローブ(周波数12MHz)を用いて肛門管全域を観察し,SM層が最も厚い部分を計測しSM厚とした.結果:1度から4度のSM厚は,それぞれ2.30±0.56mm,3.39±1.00mm,4.20±1.26mm,5.86±0.49mmで,内痔核の重症度に比例して厚くなっていた(R=0.98,p<0.001).結論:SM厚は内痔核の重症度判定の指標の1つとなる可能性がある.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.62.502