糖尿病および糖代謝異常妊婦の管理に関する内分泌学的検討

国立京都病院における満期産妊婦2,875例について外来定期検診時の尿糖とGTTの検査成績を検討した. 次に正常非妊褥婦, 正常妊婦, Whiteの分類のClass A, Bに属する糖尿病妊婦にGTTを行い, その際の血糖値, IRI反応, ΔIRI/ΔBSを検索した. 妊娠後期の糖代謝異常妊婦においてはその尿中Estriol, 血清HPL, HCGを連続測定した. 外来での尿糖発現率は6.6%で, 妊娠末期に高率であつた.155例のGTT施行例中糖尿病型は11例で, そのうち6例が糖尿病, 5例がClass Aであつた. IRI反応は正常群では妊娠初期より後期へと高値傾向を示した.Class...

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Published in医療 Vol. 30; no. 5; pp. 411 - 420
Main Authors 田村, 博昭, 永田, 弘治, 赤澤, 好温, 小塚, 良允, 杉山, 陽一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1976
医療同好会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.30.411

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Summary:国立京都病院における満期産妊婦2,875例について外来定期検診時の尿糖とGTTの検査成績を検討した. 次に正常非妊褥婦, 正常妊婦, Whiteの分類のClass A, Bに属する糖尿病妊婦にGTTを行い, その際の血糖値, IRI反応, ΔIRI/ΔBSを検索した. 妊娠後期の糖代謝異常妊婦においてはその尿中Estriol, 血清HPL, HCGを連続測定した. 外来での尿糖発現率は6.6%で, 妊娠末期に高率であつた.155例のGTT施行例中糖尿病型は11例で, そのうち6例が糖尿病, 5例がClass Aであつた. IRI反応は正常群では妊娠初期より後期へと高値傾向を示した.Class A群では高値遅延傾向, Class B群では低値を示し ΔIRI/ΔBSも低値であつた. HPL, HCGは糖尿病群では高値のこともあるが, 低下例もみられた. 尿中 EstriolはControlの良い症例では安定した値を示すが, 低値の症例または末期に低下する症例がみられた. 胎盤機能不全を疑わせる症例の出生児の保育は困難であつた
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.30.411