ハイリスク群急性リンパ性白血病における中枢神経浸潤について

昭和55年2月より昭和60年1月までの5年間に当科で治療したハイリスクALL 12例の白血病合併症について検討を加えた. 12例中10例が完全寛解に入つたが, そのうち3例にCNSの合併がみられ, 発病からCNS白血病の顕在化までの期間もスタンダードリスク群のそれに比較して短かった. 5ヵ月の男児で末梢白血球数354,000/mm3を示した例に対し緊急頭蓋照射を行つたところ, 照射に引き続いて数時間にわたる痙彎をひき起こした. ハイリスク群の治療をするに際しては, 早期のCNS浸潤も念頭におくことを強調した....

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Published in医療 Vol. 40; no. 6; pp. 542 - 545
Main Authors 武田, 武夫, 畑江, 芳郎, 小林, 良二, 西, 基, 中舘, 尚也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1986
医療同好会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.40.542

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Summary:昭和55年2月より昭和60年1月までの5年間に当科で治療したハイリスクALL 12例の白血病合併症について検討を加えた. 12例中10例が完全寛解に入つたが, そのうち3例にCNSの合併がみられ, 発病からCNS白血病の顕在化までの期間もスタンダードリスク群のそれに比較して短かった. 5ヵ月の男児で末梢白血球数354,000/mm3を示した例に対し緊急頭蓋照射を行つたところ, 照射に引き続いて数時間にわたる痙彎をひき起こした. ハイリスク群の治療をするに際しては, 早期のCNS浸潤も念頭におくことを強調した.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.40.542