アテロコラーゲンを用いた骨形成因子のデリバリーシステムについて

骨形成能を有する骨形成因子 (BMP) を注射型のデリバリーシステムとして応用した場合, その骨形成能を発揮できるかどうかをマウス, ラットを用いて検討した。本実験ではバイオマテリアルとして応用されているアテロコラーゲンゲルを用いてBMP-アテロコラーゲン複合体を作製し, 注入法によるその骨形成能を検索した。BMPは牛皮質骨より抽出した。BMP-アテロコラーゲン複合体, 並びにコントロールとしてBMP-生理食塩水をマウス大腿部に注入し, BMP-アテロコラーゲン複合体をラット頭頂骨上に注入し, 7, 21日後に屠殺した。軟X線写真にてBMP-アテロコラーゲン複合体注入群に骨の新生が観察され,...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 34; no. 1; pp. 125 - 132
Main Authors 大野, 友三, 栗田, 新也, 梅村, 昌孝, 野口, 俊英, 河合, 達志, 神出, 敏影, 片岡, 宏康, 長谷川, 二郎, 三枝樹, 明道, 鯉江, 正人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 1992
日本歯周病学会
Subjects
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.34.125

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Summary:骨形成能を有する骨形成因子 (BMP) を注射型のデリバリーシステムとして応用した場合, その骨形成能を発揮できるかどうかをマウス, ラットを用いて検討した。本実験ではバイオマテリアルとして応用されているアテロコラーゲンゲルを用いてBMP-アテロコラーゲン複合体を作製し, 注入法によるその骨形成能を検索した。BMPは牛皮質骨より抽出した。BMP-アテロコラーゲン複合体, 並びにコントロールとしてBMP-生理食塩水をマウス大腿部に注入し, BMP-アテロコラーゲン複合体をラット頭頂骨上に注入し, 7, 21日後に屠殺した。軟X線写真にてBMP-アテロコラーゲン複合体注入群に骨の新生が観察され, 組織所見では軟骨, 骨の新生が認められたが, BMP-生理食塩水注入群では観察されなかった。以上よりアテロコラーゲンゲルはBMPのキャリアーとして非常に有効であり, このデリバリーシステムは歯周治療に応用できる可能性が示唆された。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.34.125