血清サイトカインを測定した血管内リンパ腫症の一例

B細胞性血管内リンパ腫(IVL)患者における血清サイトカインを測定した.症例は62歳男性,全身倦怠感,関節痛,発熱のため入院した.皮膚筋炎と診断,副腎皮質ホルモン大量および免疫抑制剤投与により一過性に改善するも,発熱,全身倦怠感増悪.発症10カ月後に死亡し,剖検にてIVLと診断された.炎症性サイトカインであるTNF-αとIL-6は経過に伴い上昇し, IFN-γは経過の最後のみ上昇が見られた. IL-2は経過を通じて感度以下であり, IL-4は低下した. IVLにおけるCRP高値や低アルブミン血症などの病態と炎症性サイトカイン上昇との関連が推測された. IVLに特異的な症状,所見がないことから生...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 25; no. 3; pp. 285 - 288
Main Authors 辻, 隆, 青木, 昭子, 上田, 敦久, 萩原, 恵里, 石ヶ坪, 良明, 大野, 滋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2002
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ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.25.285

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Summary:B細胞性血管内リンパ腫(IVL)患者における血清サイトカインを測定した.症例は62歳男性,全身倦怠感,関節痛,発熱のため入院した.皮膚筋炎と診断,副腎皮質ホルモン大量および免疫抑制剤投与により一過性に改善するも,発熱,全身倦怠感増悪.発症10カ月後に死亡し,剖検にてIVLと診断された.炎症性サイトカインであるTNF-αとIL-6は経過に伴い上昇し, IFN-γは経過の最後のみ上昇が見られた. IL-2は経過を通じて感度以下であり, IL-4は低下した. IVLにおけるCRP高値や低アルブミン血症などの病態と炎症性サイトカイン上昇との関連が推測された. IVLに特異的な症状,所見がないことから生前診断は困難であるが,血清サイトカインの経時的変化や高値が診断の手がかりになるのではないかと考え報告した.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.25.285