全唾液中のIL-1β 及びEGF濃度の日内変動

唾液中のIL-1β 及びEGF濃度の日内変動を調べその歯周疾患における意義を検討した。被検者8名 (男性5名, 女性3名: 内3名は遺伝性歯肉線維腫症患者) について, 起床直後, 朝食後, 昼食前後, 夕食 前 (後に全唾液を採取し, その両濃度をELISA法を用いて測定した。その結果, 唾液中のIL-1β およびEGF濃度は, 起床直後が他のすべての時点よりも有意 (p<0.05) に高濃度であった。これより, 起床前後の時間帯は両因子が歯周組織の病態を修飾しやすい状態であるとも, あるいはまた, 宿主応答の結果の蓄積がこのような結果につながったとも考えられる。一方, 病理組織学的に...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 36; no. 4; pp. 834 - 840
Main Authors 飯山, 正夫, 堀内, 博, 佐伯, 訓子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 1994
日本歯周病学会
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.36.834

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Summary:唾液中のIL-1β 及びEGF濃度の日内変動を調べその歯周疾患における意義を検討した。被検者8名 (男性5名, 女性3名: 内3名は遺伝性歯肉線維腫症患者) について, 起床直後, 朝食後, 昼食前後, 夕食 前 (後に全唾液を採取し, その両濃度をELISA法を用いて測定した。その結果, 唾液中のIL-1β およびEGF濃度は, 起床直後が他のすべての時点よりも有意 (p<0.05) に高濃度であった。これより, 起床前後の時間帯は両因子が歯周組織の病態を修飾しやすい状態であるとも, あるいはまた, 宿主応答の結果の蓄積がこのような結果につながったとも考えられる。一方, 病理組織学的に両因子の関与が示唆される遺伝性歯肉線維腫症患者3名のうち2名は非発症者と比較して1日中を通して唾液中のEGF濃度が高く保たれていたが, 1名は非発症者と同等であり本疾患の遺伝形質は他の因子によると考えられた。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.36.834