消化管術後創傷治癒過程における末梢血血小板数の推移
術後の末梢血血小板数の推移を検討し, 以下の結論を得た. 1)術後最高血小板数と手術侵襲の大きさとの間には正の相関関係(p<0.05)が認められた. 2)術後血小板数の推移は非縫合不全群, 縫合不全群とも術後早期に有意(p<0.05)に低下した後, 非縫合不全群では2週間目に, 縫合不全群では3週間目に最高値を示した. その後, 治癒とともに正常値まで減少した. この傾向は遅発群より早発群でより顕著であった. 3)血小板数の推移は必ずしも白血球数の推移とは一致せず, 縫合不全群27例中10例(37%)は白血球数は正常であったが, その内9例(90%)は血小板数の増加を認めた. 以上...
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Published in | 医療 Vol. 48; no. 7; pp. 483 - 487 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 国立医療学会
1994
国立医療学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0021-1699 1884-8729 |
DOI | 10.11261/iryo1946.48.483 |
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Summary: | 術後の末梢血血小板数の推移を検討し, 以下の結論を得た. 1)術後最高血小板数と手術侵襲の大きさとの間には正の相関関係(p<0.05)が認められた. 2)術後血小板数の推移は非縫合不全群, 縫合不全群とも術後早期に有意(p<0.05)に低下した後, 非縫合不全群では2週間目に, 縫合不全群では3週間目に最高値を示した. その後, 治癒とともに正常値まで減少した. この傾向は遅発群より早発群でより顕著であった. 3)血小板数の推移は必ずしも白血球数の推移とは一致せず, 縫合不全群27例中10例(37%)は白血球数は正常であったが, その内9例(90%)は血小板数の増加を認めた. 以上より, 術後最高血小板数は手術侵襲の大きさを反映するとともに, 末梢血血小板数の推移は創傷治癒過程を示し, 縫合不全の早期発見に有用であると考えられた |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.48.483 |