噛みしめによる握力発揮特性の変化
目的: 本研究の目的は, 咬合機能と握力発揮特性の関連性を検証することである. 方法: 被験者は, 安定した咬頭嵌合位を有する健常成人男性12名 (23.7±2.2歳: 平均値±標準偏差) を対象とした.変色視覚刺激を合図に, 咬頭嵌合位での最大噛みしめ (MVCT), あるいは下顎安静位 (RP) の条件下で, 2秒間の右側瞬発握力発揮を各2回, 計4回行わせた.試技順序は任意とし, 各試技間には3分間の休息を設けた. 握力発現開始からの1秒間を解析対象とし, 最大握力 (maxF), 0.1秒ごとの区間平均握力 (aveF), 0.001秒ごとの微分握力最大値 (maxRFD) および90...
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          | Published in | 日本補綴歯科学会雑誌 Vol. 46; no. 5; pp. 732 - 737 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            社団法人 日本補綴歯科学会
    
        2002
     日本補綴歯科学会  | 
| Subjects | |
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| ISSN | 0389-5386 1883-177X  | 
| DOI | 10.2186/jjps.46.732 | 
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| Summary: | 目的: 本研究の目的は, 咬合機能と握力発揮特性の関連性を検証することである. 方法: 被験者は, 安定した咬頭嵌合位を有する健常成人男性12名 (23.7±2.2歳: 平均値±標準偏差) を対象とした.変色視覚刺激を合図に, 咬頭嵌合位での最大噛みしめ (MVCT), あるいは下顎安静位 (RP) の条件下で, 2秒間の右側瞬発握力発揮を各2回, 計4回行わせた.試技順序は任意とし, 各試技間には3分間の休息を設けた. 握力発現開始からの1秒間を解析対象とし, 最大握力 (maxF), 0.1秒ごとの区間平均握力 (aveF), 0.001秒ごとの微分握力最大値 (maxRFD) および90%最大握力発現時間 (T90%max) を算出し, 各条件間で比較検討した. 統計学的検定にはpaired t test (p<0.05) を用いた. 結果: RP時と比較してMVCT時に, maxFの8.4%の有意な増加 (p=0.0480), aveFの7.9-36.1%の有意な増加 (p<0.0095), maxRFDの16.2%の有意な増大 (p<0.0001) およびT90%maxの0.055秒の有意な短縮 (p=0.0017) が認められた. 結論: 本研究より, 噛みしめることでより素早い, そしてより大きな握力を発揮できる可能性が示唆された. | 
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| ISSN: | 0389-5386 1883-177X  | 
| DOI: | 10.2186/jjps.46.732 |