心臓ペースメーカー植え込み後に発症した虚血性脳血管障害に関する臨床的検討
ペースメーカー(PM)患者60例の植え込み後に発症した虚血性脳血管障害(CVD)の臨床病型および発症頻度に関して検討した. PMの内訳は非生理的PM(VVI:26例)と生理的PM(PP:34例)である. CVD発症は6例で, それらの臨床病型は心原性塞栓が3例, ラクナ梗塞が2例, 頸部内頸動脈狭窄を原因とするTIAが1例であった. 両群間の比較ではVVI群の方がCVD発症率が高く(p<0.05), 心原性塞栓の発症も多い傾向を認めた(p<0.1). またPM群別に観察期間, 背景因子および植え込み後の新たな心房細動(Af)の発生率を比較した所, 有意差を認めなかった. 以上より,...
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| Published in | 医療 Vol. 48; no. 9; pp. 682 - 686 |
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| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 国立医療学会
1994
国立医療学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0021-1699 1884-8729 |
| DOI | 10.11261/iryo1946.48.682 |
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| Summary: | ペースメーカー(PM)患者60例の植え込み後に発症した虚血性脳血管障害(CVD)の臨床病型および発症頻度に関して検討した. PMの内訳は非生理的PM(VVI:26例)と生理的PM(PP:34例)である. CVD発症は6例で, それらの臨床病型は心原性塞栓が3例, ラクナ梗塞が2例, 頸部内頸動脈狭窄を原因とするTIAが1例であった. 両群間の比較ではVVI群の方がCVD発症率が高く(p<0.05), 心原性塞栓の発症も多い傾向を認めた(p<0.1). またPM群別に観察期間, 背景因子および植え込み後の新たな心房細動(Af)の発生率を比較した所, 有意差を認めなかった. 以上より, PM植え込み後におけるCVDは心原性塞栓だけでなく, 他の臨床病型のものも存在することが示された. またVVI群はPP群に比し, 心原性塞栓が発生しやすい傾向はあるが, 基礎となる不整脈やAfの関与に対する今後の検討が必要である. |
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| ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
| DOI: | 10.11261/iryo1946.48.682 |