嚢胞内に結石を認めた中縦隔嚢胞の1例

症例は69歳,男性.胸部X線写真で右上縦隔に突出する腫瘤影を認めた.胸部CT・MRIで上大静脈を背側より圧排する嚢胞性病変を認め,中縦隔嚢胞と診断し胸腔鏡下に嚢胞摘出術を施行した.嚢胞内には無色透明の内容液と径4mmのカルシウム結石を認め,組織学的に嚢胞壁は線維性結合組織を主体とし,内腔を覆う細胞は脱落,一部硝子化を認め,壁の性状,嚢胞の局在からは心膜嚢胞が考えられた.嚢胞内に結石を認めた報告例はほとんどなく,結石の成因として嚢胞壁内腔の細胞の脱落,硝子化などといった陳旧性変化を認めたことから壁の変性が考えられた....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 20; no. 2; pp. 138 - 140
Main Authors 矢野, 真, 染谷, 毅, 菅野, 隆彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2006
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.20.138

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Summary:症例は69歳,男性.胸部X線写真で右上縦隔に突出する腫瘤影を認めた.胸部CT・MRIで上大静脈を背側より圧排する嚢胞性病変を認め,中縦隔嚢胞と診断し胸腔鏡下に嚢胞摘出術を施行した.嚢胞内には無色透明の内容液と径4mmのカルシウム結石を認め,組織学的に嚢胞壁は線維性結合組織を主体とし,内腔を覆う細胞は脱落,一部硝子化を認め,壁の性状,嚢胞の局在からは心膜嚢胞が考えられた.嚢胞内に結石を認めた報告例はほとんどなく,結石の成因として嚢胞壁内腔の細胞の脱落,硝子化などといった陳旧性変化を認めたことから壁の変性が考えられた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.20.138