抗Porphyromonas gingivalis抗体のIgGサブクラスと歯周炎の病態
抗Porphyromonas gingivalis抗体の機能と, 本菌の歯周感染における主要抗原を調べる目的で, 初診時歯周炎患者および健常者の血清について, IgGサブクラス特異的モノクローナル抗体を用いて, 固相免疫測定法ELISA) による抗P. gingivalis抗体価の測定と, イムノブロット法による各IgGサブクラス抗体の対応抗原 の (解析を行った。凍結乾燥全菌体を抗原としたELISAの結果, 患者群では全てのサブクラスにおいて抗体価の有意な上昇が認められ, 大部分の患者では特定のサブクラスの抗体価が選択的に上昇していた。IgG2抗体価と各種臨床指数との問には有意な正の相関が認...
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Published in | 日本歯周病学会会誌 Vol. 36; no. 4; pp. 871 - 883 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
1994
日本歯周病学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0385-0110 1880-408X |
DOI | 10.2329/perio.36.871 |
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Summary: | 抗Porphyromonas gingivalis抗体の機能と, 本菌の歯周感染における主要抗原を調べる目的で, 初診時歯周炎患者および健常者の血清について, IgGサブクラス特異的モノクローナル抗体を用いて, 固相免疫測定法ELISA) による抗P. gingivalis抗体価の測定と, イムノブロット法による各IgGサブクラス抗体の対応抗原 の (解析を行った。凍結乾燥全菌体を抗原としたELISAの結果, 患者群では全てのサブクラスにおいて抗体価の有意な上昇が認められ, 大部分の患者では特定のサブクラスの抗体価が選択的に上昇していた。IgG2抗体価と各種臨床指数との問には有意な正の相関が認められた。しかし, IgG1, IgG3, IgG4および総IgG抗体価については, 各種臨床指数との間に, 相関は認められなかった。本菌の超音波破砕上清を使用したイムノブロット法による解析においては, IgG2サブクラスの抗体が患者に特徴的な染色像を最も頻繁に示し, IgG1サブクラスの抗体はすべての患者および健常者において反応が認められ, IgG3, IgG4のサブクラスに反応が認められた者は, 患者においても健常者においてもまれであった。P. gingivalis特異的IgG抗体の中でもIgG2サブクラスにおいて顕著な特徴が認められた事から, 本菌の糖抗原は歯周炎の免疫応答において重要な役割を演じているものと考えられる。 |
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ISSN: | 0385-0110 1880-408X |
DOI: | 10.2329/perio.36.871 |