長野県におけるこんにちは赤ちゃん事業取り組みの現状

「I はじめに」 我が国の人口動態統計によると, 平成21年度の合計特殊出生率は1.37であり, 前年度と同率であった. しかし同年の出生数は1,070,025人と, 前年の1,091,156人より21,131人減少し1), 昭和49年の出生数2,029,989人をピークに減少傾向にあることから, 今後出生数は確実に減少すると推測されている. その一方で, 母子保健統計上増え続けている数字の1つに児童相談所における子ども虐待の相談処理件数がある. 平成21年度には44,210件2)であり, 統計を取り始めた平成2年度の1,101件3)に比べ約40倍, 児童虐待防止法施行前の平成11年度の11,...

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Published in信州医学雑誌 Vol. 59; no. 3; pp. 169 - 175
Main Authors 近藤里栄, 塚原照臣, 堀綾, 和田敬仁, 稲葉雄二, 金井誠, 内田満夫, 坂口けさみ, 市川元基, 野見山哲生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 信州医学会 2011
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ISSN0037-3826
DOI10.11441/shinshumedj.59.169

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Summary:「I はじめに」 我が国の人口動態統計によると, 平成21年度の合計特殊出生率は1.37であり, 前年度と同率であった. しかし同年の出生数は1,070,025人と, 前年の1,091,156人より21,131人減少し1), 昭和49年の出生数2,029,989人をピークに減少傾向にあることから, 今後出生数は確実に減少すると推測されている. その一方で, 母子保健統計上増え続けている数字の1つに児童相談所における子ども虐待の相談処理件数がある. 平成21年度には44,210件2)であり, 統計を取り始めた平成2年度の1,101件3)に比べ約40倍, 児童虐待防止法施行前の平成11年度の11,631件2)に比べ約4倍と年々増加している. また, 厚生労働省が把握している, 虐待により死亡した子どもの数においても, 平成19年度は90人, 平成20年度には107人3)と増加がみられている.
ISSN:0037-3826
DOI:10.11441/shinshumedj.59.169