血清学検査陰性のHBV DNA陽性血液を輸血された患者の遡及調査結果

1997年の11月より日本赤十字社血漿分画センターにおいて, 原料血漿の製造工程前試験として500プール検体を用いたHBV, HCV, HIVの核酸増幅検査(nucleic acid amplification test, NAT)が行われるようになり(以下分画NAT), 血清学検査陰性の献血血液2,429,063例(HCVは2,521,498例)の中からNAT陽性例が, HBVは37例, HCVは5例検出された1). このようなNAT陽性血液が患者に輸血された場合に, 感染が成立するか否かを詳細に解析することは, 輸血学のみならず感染学の観点からみても重要と考える. 今回, 北海道内で過去3...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 47; no. 3; pp. 395 - 402
Main Authors 佐藤, 進一郎, 伊原, 弘美, 酒谷, 真一, 長谷川, 秀弥, 山本, 定光, 池田, 久實, 加藤, 俊明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 2001
日本輸血学会
Online AccessGet full text
ISSN0546-1448
1883-8383
DOI10.3925/jjtc1958.47.395

Cover

More Information
Summary:1997年の11月より日本赤十字社血漿分画センターにおいて, 原料血漿の製造工程前試験として500プール検体を用いたHBV, HCV, HIVの核酸増幅検査(nucleic acid amplification test, NAT)が行われるようになり(以下分画NAT), 血清学検査陰性の献血血液2,429,063例(HCVは2,521,498例)の中からNAT陽性例が, HBVは37例, HCVは5例検出された1). このようなNAT陽性血液が患者に輸血された場合に, 感染が成立するか否かを詳細に解析することは, 輸血学のみならず感染学の観点からみても重要と考える. 今回, 北海道内で過去3年間に確認された血清学検査陰性のHBV DNA陽性血液が輸血された患者の遡及調査を行ったので報告する. 方法及び材料 1. HBV DNA陽性献血者 1997年11月~1999年10月の3年間に, 北海道内で検出された血清学検査陰性のHBV DNA陽性献血者8例の内訳をTable 1に示した.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.47.395