大腿筋膜張筋皮弁を用いて腹壁再建を行った再発大腸癌の1例

悪性腫瘍が腹壁に再発し広範囲に腹壁を切除する場合は,腹壁再建が必要となる.今回われわれは,結腸癌の腹壁再発に対して,広範な腹壁切除術を施行し形成外科的に筋皮弁にて再建した症例を経験したので報告する.症例は78歳,女性.虫垂炎,腸閉塞,腹壁瘢痕ヘルニアの手術歴あり.3年前に盲腸癌に対して腹壁の一部合併切除を伴う拡大結腸右半切除術を受けていた.腹壁再発病変が皮膚へ露出し,S状結腸浸潤による腸閉塞をきたしたため準緊急に手術を行った.小腸,膀胱および子宮への浸潤部は部分切除を行い,S状結腸切除を伴う広範な腹壁切除を行った.腹壁欠損部は11×7cmの大きな欠損となったため右側大腿筋膜張筋皮弁による腹壁再...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 65; no. 5; pp. 272 - 276
Main Authors 濱野, 亮輔, 西江, 学, 磯田, 健太, 常光, 洋輔, 岩垣, 博巳, 宮宗, 秀明, 徳永, 尚之, 岩川, 和秀, 大塚, 眞哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2012
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.65.272

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Summary:悪性腫瘍が腹壁に再発し広範囲に腹壁を切除する場合は,腹壁再建が必要となる.今回われわれは,結腸癌の腹壁再発に対して,広範な腹壁切除術を施行し形成外科的に筋皮弁にて再建した症例を経験したので報告する.症例は78歳,女性.虫垂炎,腸閉塞,腹壁瘢痕ヘルニアの手術歴あり.3年前に盲腸癌に対して腹壁の一部合併切除を伴う拡大結腸右半切除術を受けていた.腹壁再発病変が皮膚へ露出し,S状結腸浸潤による腸閉塞をきたしたため準緊急に手術を行った.小腸,膀胱および子宮への浸潤部は部分切除を行い,S状結腸切除を伴う広範な腹壁切除を行った.腹壁欠損部は11×7cmの大きな欠損となったため右側大腿筋膜張筋皮弁による腹壁再建を行った.術後経過は順調で,良好なQOLが得られた.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.65.272