自動血球洗浄機の使用による抗グロブリン試験偽陰性反応に対する改良方法の検討

輸血検査における抗グロブリン試験は, 自動血球洗浄機の普及に伴って, 抗体スクリーニング, 抗体の同定あるいは交差適合試験などに広く応用されるようになってきた. わが国ではブロメリン法が広く普及しているが, ブロメリン法では検出され難く, 抗グロブリン法のみで検出される抗体による輸血副作用やブロメリン非特異反応などが問題となるからである. ところで, 抗グロブリン試験に際しての血球の洗浄に自動血球洗浄機を用いた場合には, 洗浄効果不良による偽陰性反応が時として認められることは煩雑な問題である. われわれはこの洗浄方法に若干の改良を加えることにより良好な結果を得たので報告する. 対象 検体は予備...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 32; no. 4; pp. 394 - 399
Main Authors 山本, 恵美, 菊地, 寿美子, 神白, 和正, 武藤, 美雪, 小沢, 直宏, 矢澤, 百合香, 清水, 勝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 1986
日本輸血学会
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ISSN0546-1448
1883-8383
DOI10.3925/jjtc1958.32.394

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Summary:輸血検査における抗グロブリン試験は, 自動血球洗浄機の普及に伴って, 抗体スクリーニング, 抗体の同定あるいは交差適合試験などに広く応用されるようになってきた. わが国ではブロメリン法が広く普及しているが, ブロメリン法では検出され難く, 抗グロブリン法のみで検出される抗体による輸血副作用やブロメリン非特異反応などが問題となるからである. ところで, 抗グロブリン試験に際しての血球の洗浄に自動血球洗浄機を用いた場合には, 洗浄効果不良による偽陰性反応が時として認められることは煩雑な問題である. われわれはこの洗浄方法に若干の改良を加えることにより良好な結果を得たので報告する. 対象 検体は予備試験として用いた192例の健常人血清と日常業務での抗グロブリン試験の検体29,370例である. 自動血球洗浄機としては日立MC-300(以下, 日立と略), SORVAL CW-1(以下, SORVALと略)とDADE DAC(以下, DADEと略)の3機種を用い, 検査用試験管は10×75mmのものを使用した.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.32.394