新型コロナウイルス感染症と美術鑑賞教室の一年

2020 年度は、新型コロナウイルス感染症により、どこの美術館の教育普及事業にも多大な影響が出たことだろう。展覧会事業を再開している美術館でも、ワークショップやギャラリートークのような多数の人が集まるイベントは、人数を制限して開催したり、休止したりしているところも少なくないようだ。東京の府中市美術館でも、ワークショップは夏休みを除いてほとんど休止し、オンラインプログラムの開発に力を入れている。しかし、年間を通して受け入れる学校の団体鑑賞は、ただちにオンライン化という選択は難しく、感染症対策を徹底した形での実施を模索してきた。学校鑑賞が全面中止になった美術館もあると聞いているが、コロナ禍だからと...

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Bibliographic Details
Published inLearning through Art Vol. 2; no. 10; p. 202110
Main Author 武居, 利史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本・美術による学び学会 2021
Japan Society for Learning through Art
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ISSN2435-6573
DOI10.34495/artmanabi.202110

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Summary:2020 年度は、新型コロナウイルス感染症により、どこの美術館の教育普及事業にも多大な影響が出たことだろう。展覧会事業を再開している美術館でも、ワークショップやギャラリートークのような多数の人が集まるイベントは、人数を制限して開催したり、休止したりしているところも少なくないようだ。東京の府中市美術館でも、ワークショップは夏休みを除いてほとんど休止し、オンラインプログラムの開発に力を入れている。しかし、年間を通して受け入れる学校の団体鑑賞は、ただちにオンライン化という選択は難しく、感染症対策を徹底した形での実施を模索してきた。学校鑑賞が全面中止になった美術館もあると聞いているが、コロナ禍だからといって子どもたちが美術館で学ぶ機会を奪いたくはない。府中市での学校鑑賞は、中止を避けるべく努力を重ねてきた。一年間の経過をふりかえるとともに、学校鑑賞における今後の課題について考えてみたい。
ISSN:2435-6573
DOI:10.34495/artmanabi.202110