非典型的な臨床経過を呈した第6, 7胸椎椎間板ヘルニアの1例

症例は72歳の女性で, 局所痛や知覚障害を伴わず, 比較的急性の対麻痺にて発症した. MRIでの矢状断やミエログラフィー, CTミエログラフィーにてT6-7レベルでの椎間板の突出が認められ, costotransversectomyによる椎間板切除により対麻痺は改善した. 胸椎椎間板ヘルニアは比較的まれであり, 特に中位胸椎では少ないとされてきた. その主な初発症状は局所背部痛や知覚障害である. 今回の症例では知覚障害を伴わず比較的急性に下肢筋力低下が進行しており, このような非典型例では他疾患と誤診される危険があり, MRI, CTミエログラフィーなどを用いた全胸椎の注意深い検索が必要であろ...

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Published in医療 Vol. 51; no. 5; pp. 226 - 229
Main Authors 竹内, 寛, 二階堂, 雄次, 大塚, 博之, 塩見, 和昭, 江口, 隆彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1997
国立医療学会
Subjects
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.51.226

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Summary:症例は72歳の女性で, 局所痛や知覚障害を伴わず, 比較的急性の対麻痺にて発症した. MRIでの矢状断やミエログラフィー, CTミエログラフィーにてT6-7レベルでの椎間板の突出が認められ, costotransversectomyによる椎間板切除により対麻痺は改善した. 胸椎椎間板ヘルニアは比較的まれであり, 特に中位胸椎では少ないとされてきた. その主な初発症状は局所背部痛や知覚障害である. 今回の症例では知覚障害を伴わず比較的急性に下肢筋力低下が進行しており, このような非典型例では他疾患と誤診される危険があり, MRI, CTミエログラフィーなどを用いた全胸椎の注意深い検索が必要であろう.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.51.226