磁気空間位置検出装置を応用した6自由度顎運動測定装置の開発

目的: 本研究は, 現在市販されている6自由度顎運動測定装置が有する測定精度はそのままで, より操作性に優れる測定装置を新たに開発することを目的とした. 材料と方法: 6自由度顎運動測定装置には, 磁気空間位置検出装置である3SPACE®)FASTRAK(R)(Polhemus Inc.) を応用した. 装置はトランスミッタ, センサ, システムエレクトロニクスユニット, およびパーソナルコンピュータから構成される. 2個のセンサは, それぞれ上下顎6前歯の唇側面に適合するレジン製クラッチによって, 上下顎歯列弓に固定される. 測定精度は, センサとトランスミッタとの距離が300mmであれば,...

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Published in日本補綴歯科学会雑誌 Vol. 47; no. 5; pp. 814 - 823
Main Authors 五十嵐, 順正, 桐原, 孝尚, 小澤, 武史, 藤井, 洋, 山下, 秀一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本補綴歯科学会 2003
日本補綴歯科学会
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ISSN0389-5386
1883-177X
DOI10.2186/jjps.47.814

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Summary:目的: 本研究は, 現在市販されている6自由度顎運動測定装置が有する測定精度はそのままで, より操作性に優れる測定装置を新たに開発することを目的とした. 材料と方法: 6自由度顎運動測定装置には, 磁気空間位置検出装置である3SPACE®)FASTRAK(R)(Polhemus Inc.) を応用した. 装置はトランスミッタ, センサ, システムエレクトロニクスユニット, およびパーソナルコンピュータから構成される. 2個のセンサは, それぞれ上下顎6前歯の唇側面に適合するレジン製クラッチによって, 上下顎歯列弓に固定される. 測定精度は, センサとトランスミッタとの距離が300mmであれば, 位置では0.1mm, 角度では0.2度の分解能で測定が可能である. 考察: ほかの測定装置と比較した場合, 一部の測定精度は劣るものの, 被験者に装着するセンサが非常に小型, 軽量であるため, 顎運動をより自然に近い生理的環境下で測定することが可能になったと考察される. また, 顎運動の記録後に短時間で動画として運動を再現できること, 全運動軸を自動算出する機能を有している点などは, 操作性の向上に寄与すると思われる. 結論: 磁気空間位置検出装置を応用することにより, ハードウェアおよびソフトウェアとも操作性に優れた6自由度顎運動測定装置を新たに開発することができた.
ISSN:0389-5386
1883-177X
DOI:10.2186/jjps.47.814