十二指腸乳頭部領域におけるサイトケラチンとムチンの免疫組織化学的検討

膵・胆道疾患で膵頭十二指腸切除術が施行された21例を用い, 乳頭部でしばしば観察される十二指腸粘膜過剰置換(distended glands)も含めて, 十二指腸乳頭部領域における上皮細胞のサイトケラチンならびにムチンの発現について検討した.その結果, 膵管・胆管・共通管にはCK7, CK18, CK19が, 介在部膵管にはCK5が, さらに十二指腸粘膜の陰窩上皮にはCK20が発現した.粘膜過剰置換については6例に見られ, 十二指腸内腔側に存在するにもかかわらずCK7, CK18, CK19が陽性, CK20が陰性で, ムチンに対する免疫染色では特異的にMUC5ACが発現した. 以上により,...

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Published in胆道 Vol. 19; no. 4; pp. 440 - 443
Main Authors 須田, 耕一, 信川, 文誠, 園上, 浩司, 阿部, 寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2005
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando1987.19.4_440

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Summary:膵・胆道疾患で膵頭十二指腸切除術が施行された21例を用い, 乳頭部でしばしば観察される十二指腸粘膜過剰置換(distended glands)も含めて, 十二指腸乳頭部領域における上皮細胞のサイトケラチンならびにムチンの発現について検討した.その結果, 膵管・胆管・共通管にはCK7, CK18, CK19が, 介在部膵管にはCK5が, さらに十二指腸粘膜の陰窩上皮にはCK20が発現した.粘膜過剰置換については6例に見られ, 十二指腸内腔側に存在するにもかかわらずCK7, CK18, CK19が陽性, CK20が陰性で, ムチンに対する免疫染色では特異的にMUC5ACが発現した. 以上により, 乳頭部のサイトケラチンは膵管・胆管・共通管がCK7に代表され, また十二指腸粘膜陰窩上皮がCK20で染色され, 粘膜過剰置換は前者の形質を保持していた.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.19.4_440