痔瘻手術におけるexpanded polytetrafluoroethylene sheet縫着法-縫合不全発生の予防として

目的: Coring out筋縫合は痔瘻の手術術式としてよく用いられるが,しばしば術後に縫合不全や再開通を認める.日帰り手術におけるこれらの縫合不全や再開通を防ぐ手段として,筋縫合部を覆うようにexpanded polytetrafluoro-ethylene sheet(以下ePTFEパッチ)を縫着,その保護効果を検討した.方法: 67例においてcoring out筋縫合創上に約長さ4cm,幅1.5cm,厚さ0.3mmのePTFEパッチを3-0バイクリルの結節縫合で縫着した.また16例では一期的lay-open and primary closureを行いePTFEパッチ縫着を行った.ePT...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 62; no. 2; pp. 89 - 93
Main Authors 高山, 鉄郎, 辻仲, 康伸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2009
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.62.89

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Summary:目的: Coring out筋縫合は痔瘻の手術術式としてよく用いられるが,しばしば術後に縫合不全や再開通を認める.日帰り手術におけるこれらの縫合不全や再開通を防ぐ手段として,筋縫合部を覆うようにexpanded polytetrafluoro-ethylene sheet(以下ePTFEパッチ)を縫着,その保護効果を検討した.方法: 67例においてcoring out筋縫合創上に約長さ4cm,幅1.5cm,厚さ0.3mmのePTFEパッチを3-0バイクリルの結節縫合で縫着した.また16例では一期的lay-open and primary closureを行いePTFEパッチ縫着を行った.ePTFEパッチは術後約1.5カ月頃縫合糸の脱落にともなって自然排出されるまで局所に留まり,筋縫合部を覆っていた.成績: 全例において術後急性期より16∼22カ月までの遠隔期の観察において縫合不全や再開通を認めず,良好な創癒合が完成された.結論: ePTFEパッチ縫着は筋縫合部を便などより保護し筋縫合後の縫合不全や再開通の防止に有用な役目をしていると思われた.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.62.89