直腸癌に対する腹腔鏡下低位前方切除術後·早期固形食摂取の検討

近年,結腸癌術後に早期経口摂取を開始する検討が行われており,大腸癌手術後の早期回復における役割は大きい.しかしながら,腹腔鏡下低位前方切除術において,術後早期固形食摂取を積極的に行っている報告はまだない.直腸癌に対する腹腔鏡下低位前方切除術後の早期固形食摂取の現状と安全性について検討する. 対象は腹腔鏡下低位前方切除術を施行した直腸癌20例である.術後1日目から飲水開始,術後2日目から固形食経口摂取開始予定とし,術後の飲水·摂食状況,摂食熱量,摂食後消化器症状,合併症,退院日などについて調査した. 食事経口摂取については,術後2日目に20例中18例(90%)で固形食の摂取が可能であった.早期経...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 63; no. 1; pp. 27 - 31
Main Authors 中森, 正二, 安井, 昌義, 辻仲, 利政, 池永, 雅一, 宮崎, 道彦, 三嶋, 秀行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2010
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.63.27

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Summary:近年,結腸癌術後に早期経口摂取を開始する検討が行われており,大腸癌手術後の早期回復における役割は大きい.しかしながら,腹腔鏡下低位前方切除術において,術後早期固形食摂取を積極的に行っている報告はまだない.直腸癌に対する腹腔鏡下低位前方切除術後の早期固形食摂取の現状と安全性について検討する. 対象は腹腔鏡下低位前方切除術を施行した直腸癌20例である.術後1日目から飲水開始,術後2日目から固形食経口摂取開始予定とし,術後の飲水·摂食状況,摂食熱量,摂食後消化器症状,合併症,退院日などについて調査した. 食事経口摂取については,術後2日目に20例中18例(90%)で固形食の摂取が可能であった.早期経口摂取開始後に,誤嚥,縫合不全など,重篤な合併症を認めなかった.手術日から退院許可日までは中央値6日間で,術後在院期間は中央値9日間であった.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.63.27