骨形成促進剤TAK-778-SRの担体に用いたβ-tricalcium phosphateの評価
目的: 骨形成促進剤TAK-778を徐放性マイクロカプセルに封入したTAK-778-SRの担体として, 気孔率の異なる2種 (気孔率60%, 75%) のβ-TCP (β-tricalcium phosphate) を用いて, TAK-778の有無および埋入期間の違いによる骨形成能を形態組織学的に評価することである. 方法: 9週齢SD系雌性ラットを使用し, 頭頂部に切開を加え, 骨膜ごと剥離し頭頂骨を露出させトレフィンバーにて頭頂骨を除去したのち, その欠損部をTAK-778の有無による各条件 [生食, 徐放性マイクロカプセルのみおよびTAK-778封入の徐放性マイクロカプセル (TAK-7...
Saved in:
| Published in | 日本補綴歯科学会雑誌 Vol. 49; no. 2; pp. 211 - 220 |
|---|---|
| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
社団法人 日本補綴歯科学会
2005
日本補綴歯科学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0389-5386 1883-177X |
| DOI | 10.2186/jjps.49.211 |
Cover
| Summary: | 目的: 骨形成促進剤TAK-778を徐放性マイクロカプセルに封入したTAK-778-SRの担体として, 気孔率の異なる2種 (気孔率60%, 75%) のβ-TCP (β-tricalcium phosphate) を用いて, TAK-778の有無および埋入期間の違いによる骨形成能を形態組織学的に評価することである. 方法: 9週齢SD系雌性ラットを使用し, 頭頂部に切開を加え, 骨膜ごと剥離し頭頂骨を露出させトレフィンバーにて頭頂骨を除去したのち, その欠損部をTAK-778の有無による各条件 [生食, 徐放性マイクロカプセルのみおよびTAK-778封入の徐放性マイクロカプセル (TAK-778-SR)] に従って処理したβ-TCPブロックを填入した.5週後, および10週後に組織標本を作製し, 組織形態的に観察しNIHイメージにて新生骨の割合を比較検討した。 結果: 組織形態的観察から気孔率, 埋入期間を問わずTAK-778-SRを含浸したすべてに新生骨を認め, 10週気孔率75%β-TCPブロックのTAK-778-SR含浸の条件で最も多くの新生骨が認められた. 結論: 1.β-TCPブロックおよび徐放性マイクロカプセルは治癒過程の障害にはならなかった.2.5週群, 10週群ともに気孔率60%β-TCPブロックの吸収は, 鋭縁部および辺縁部のみであったが, 75%では5週群でブロック内部, 外部ともに吸収が起こり, 10週群でさらにこれが進行した.3.TAK-778-SRの骨形成促進効果が確認され, その担体としてのβ-TCPブロックは気孔率によって骨形成量が異なった. |
|---|---|
| ISSN: | 0389-5386 1883-177X |
| DOI: | 10.2186/jjps.49.211 |