末梢血幹細胞採取における心電図監視の必要性を認めた1例

日本赤十字血液センターでは, 1986年から成分採血装置を用いての成分献血が始まった. この時の実施手順には, 初回施行前の心電図検査が正常なことが条件になっている1). 一方, 病院で患者を対象として行われる血液成分採血の場合にはどのように対応すべきであろうか. われわれの輸血部では, 院内の供血者を対象とした血液成分採血(主に血小板採血)において, 1979年10月より採取中の心電図監視を行なっている2)3). また最近, 患者を対象にした末梢血幹細胞採取(PBSCC)を行なう場合にも, 供血者からの院内血液成分採血同様に心電図監視を行なっている. 今回, 小児患者のPBSCCで, 心電図...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 41; no. 6; pp. 617 - 621
Main Authors 伊藤, 経夫, 田村, 眞, 大井, 龍司, 佐藤, 篤, 今泉, 益栄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 1995
日本輸血学会
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ISSN0546-1448
1883-8383
DOI10.3925/jjtc1958.41.617

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Summary:日本赤十字血液センターでは, 1986年から成分採血装置を用いての成分献血が始まった. この時の実施手順には, 初回施行前の心電図検査が正常なことが条件になっている1). 一方, 病院で患者を対象として行われる血液成分採血の場合にはどのように対応すべきであろうか. われわれの輸血部では, 院内の供血者を対象とした血液成分採血(主に血小板採血)において, 1979年10月より採取中の心電図監視を行なっている2)3). また最近, 患者を対象にした末梢血幹細胞採取(PBSCC)を行なう場合にも, 供血者からの院内血液成分採血同様に心電図監視を行なっている. 今回, 小児患者のPBSCCで, 心電図に心室性期外収縮(PVC)を示した症例を経験し, 心電図監視の必要性を認めたため, その詳細と意義について述べてみたい.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.41.617