在宅高齢者に対する義歯補綴治療の効果

「I.緒言」高齢社会の到来により在宅医療が注目されている. 在宅医療は外来医療, 入院医療に次ぐ「第3の医療」ともいわれており, 医療と保健と福祉の総合一体化が最も具体化されやすい場の1つとされている1). なお, 本学歯学部の教育理念は「医療と保健と福祉の連携・統合」である. また, 在宅医療は高齢社会の求めるQuality of Life(QOL)を目指すために大いに推進すべき制度であるとされている1). 高齢者が求めるQOLを満たすための条件として, 身体的・精神的健康の確保, 経済的基盤の安定, 社会の変化に適応しつつ人生を楽しむ能力をもつこと, 家族・近隣社会・職場などにおいて共感で...

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Published in日本補綴歯科学会雑誌 Vol. 42; no. 4; pp. 605 - 611
Main Authors 金子, 寛, 平井, 敏博, 池田, 和博, 石島, 勉, 内山, 裕子, 服部, 真幸, 大峯, 道子, 横山, 雄一, 越野, 寿, 小西, 洋次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本補綴歯科学会 1998
日本補綴歯科学会
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ISSN0389-5386
1883-177X
DOI10.2186/jjps.42.605

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Summary:「I.緒言」高齢社会の到来により在宅医療が注目されている. 在宅医療は外来医療, 入院医療に次ぐ「第3の医療」ともいわれており, 医療と保健と福祉の総合一体化が最も具体化されやすい場の1つとされている1). なお, 本学歯学部の教育理念は「医療と保健と福祉の連携・統合」である. また, 在宅医療は高齢社会の求めるQuality of Life(QOL)を目指すために大いに推進すべき制度であるとされている1). 高齢者が求めるQOLを満たすための条件として, 身体的・精神的健康の確保, 経済的基盤の安定, 社会の変化に適応しつつ人生を楽しむ能力をもつこと, 家族・近隣社会・職場などにおいて共感できる人間関係が形成されていることなどがあげられているが2), 咬合・咀嚼機能, 発音機能の補綴治療による回復は, これらの基本的因子であると考えられる. 特に, 高齢者にとって, 心身が虚弱な状態であっても質の高い生活を送るためには, なるべく自立した生活を確保し, 自らの持てる力を回復, 維持することが重要であるとされており, 要介護高齢者を対象とした在宅歯科診療の実施は重要な医療サービスである3, 4).
ISSN:0389-5386
1883-177X
DOI:10.2186/jjps.42.605