腹会陰式直腸切断術後に発生した二次性会陰ヘルニアの2例

骨盤内臓手術や外傷後に発生する二次性会陰ヘルニアは,まれな疾患である.今回,我々は腹会陰式直腸切断術後に発生した会陰ヘルニアの2例を経験したので文献的考察を加え報告し,予防について検討した.2例とも直腸癌に対し腹会陰式直腸切断術を実施し,創感染などの創傷治癒遷延因子となるような合併症なく経過したが,術後3カ月以内に会陰部に腫瘤を認め,CTとMRIで会陰ヘルニアと診断した.経腹的にComposix® EX Meshを用いて修復術を行った.composix meshを用いた経腹的修復法は,剥離操作にともなう腸管損傷に注意して行えばtension freeの観点からも有用であると考えられた.また,そ...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 63; no. 2; pp. 75 - 81
Main Authors 岡本, 友好, 山形, 哲也, 北川, 和男, 諏訪, 勝仁, 矢永, 勝彦, 中島, 紳太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2010
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.63.75

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Summary:骨盤内臓手術や外傷後に発生する二次性会陰ヘルニアは,まれな疾患である.今回,我々は腹会陰式直腸切断術後に発生した会陰ヘルニアの2例を経験したので文献的考察を加え報告し,予防について検討した.2例とも直腸癌に対し腹会陰式直腸切断術を実施し,創感染などの創傷治癒遷延因子となるような合併症なく経過したが,術後3カ月以内に会陰部に腫瘤を認め,CTとMRIで会陰ヘルニアと診断した.経腹的にComposix® EX Meshを用いて修復術を行った.composix meshを用いた経腹的修復法は,剥離操作にともなう腸管損傷に注意して行えばtension freeの観点からも有用であると考えられた.また,その発生には小腸間膜の長さが寄与していると考えられ,術中に小腸間膜の長さを評価し,骨盤底の補強や間膜の固定を行うことで発症を防止できる可能性がある.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.63.75