固有肝動脈造影下CTが診断に有用であった原発性硬化性胆管炎の1例

症例は78歳女性である.数年にわたる胆道系酵素の上昇があり,増悪したため入院した.胆管造影で,上部胆管から左右肝管に狭窄所見が認められた.固有肝動脈造影下CT検査で,早期相で造影され晩期相で低吸収域となる,上部胆管から左右肝管への均一な壁肥厚がみられた.この所見は,我々が経験した,晩期相で造影を受け不均一な壁肥厚を示す硬性型の胆管癌症例と異なっていた.狭窄部をバルーン拡張した後16カ月経過観察中であるが,発熱や黄疸がなく,画像上ほとんど変化を認めない....

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Published in胆道 Vol. 15; no. 4; pp. 315 - 321
Main Authors 山田, 貴教, 森田, 悟, 小林, 良正, 菊山, 正隆, 北中, 秀法, 小平, 知世, 住吉, 信一, 松林, 祐司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2001
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando1987.15.4_315

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Summary:症例は78歳女性である.数年にわたる胆道系酵素の上昇があり,増悪したため入院した.胆管造影で,上部胆管から左右肝管に狭窄所見が認められた.固有肝動脈造影下CT検査で,早期相で造影され晩期相で低吸収域となる,上部胆管から左右肝管への均一な壁肥厚がみられた.この所見は,我々が経験した,晩期相で造影を受け不均一な壁肥厚を示す硬性型の胆管癌症例と異なっていた.狭窄部をバルーン拡張した後16カ月経過観察中であるが,発熱や黄疸がなく,画像上ほとんど変化を認めない.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.15.4_315