灸刺激による汗出現差異と皮膚血流量の関係

灸治療は, 古くから日本における伝統医療として根付いてきた1). 灸治療の効果として, 末梢循環改善作用, 免疫作用, 慢性疼痛緩和作用など多種にわたる灸治療効果が報告されている2). 灸刺激による局所血流量の変化の応答について, 野口(2003年)ら3)はラットにおける坐骨神経切断例で灸刺激応答が無かったと報告している. また交感神経α系遮断の場合は血流量の応答が消失したとしている. そしてこれらの応答は鍼刺激と同様の血流反応だと指摘されている. また灸治療の方法は有痕灸と無痕灸に分けられるが, 上記の野口らの刺激応答は有痕灸刺激によるものである. 無痕灸では, 灸の成分である艾を直接施灸す...

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Published in日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 68; no. 4; pp. 203 - 208
Main Authors 波多野, 義郎, 久下, 浩史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 2005
日本温泉気候物理医学会
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ISSN0029-0343
1884-3697
DOI10.11390/onki1962.68.203

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Summary:灸治療は, 古くから日本における伝統医療として根付いてきた1). 灸治療の効果として, 末梢循環改善作用, 免疫作用, 慢性疼痛緩和作用など多種にわたる灸治療効果が報告されている2). 灸刺激による局所血流量の変化の応答について, 野口(2003年)ら3)はラットにおける坐骨神経切断例で灸刺激応答が無かったと報告している. また交感神経α系遮断の場合は血流量の応答が消失したとしている. そしてこれらの応答は鍼刺激と同様の血流反応だと指摘されている. また灸治療の方法は有痕灸と無痕灸に分けられるが, 上記の野口らの刺激応答は有痕灸刺激によるものである. 無痕灸では, 灸の成分である艾を直接施灸するのではなく, 艾と皮膚面の間に物質を挿入するか, あるいは空気層を挿入する方法で施灸するものである. 管田(1988-9年)ら5,6)は, 生姜灸による皮膚深部温の変化について検討している. そこでは有痕灸刺激より生姜灸刺激の方が刺激量が大きいと示唆されている. また尾崎(1987年)6)は円筒灸の温度特性について検討した.
ISSN:0029-0343
1884-3697
DOI:10.11390/onki1962.68.203