装着後13年を経過した超塑性Ti-6Al-4V合金による上顎部分床義歯の1症例

症例の概要: 50歳の女性. 咀嚼障害を主訴に来院した. 症型分類1-1では32点のレベルIVと判定された. 上下顎新義歯により咬合の再構成を行った. 上顎はTi-6Al-4V合金の超塑性成形, 下顎は鋳造純チタンによるメタルフレームの義歯を装着した. 考察: リコールを継続し, 13年経過した. 超塑性チタン合金床義歯は, 口蓋部に薄い床を希望した患者の要望を満足させることができた. 超塑性成形によるレストと連結子は良好な適合性と強固な支持と把持の効果を発現し, このことが長期にわたる機能の保全に効果があったと推察された. 結論: 本症例からはチタン合金の利点が確認されたとともに, 残存歯の...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本補綴歯科学会雑誌 Vol. 51; no. 2; pp. 340 - 343
Main Author 若林, 則幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本補綴歯科学会 2007
日本補綴歯科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0389-5386
1883-177X
DOI10.2186/jjps.51.340

Cover

More Information
Summary:症例の概要: 50歳の女性. 咀嚼障害を主訴に来院した. 症型分類1-1では32点のレベルIVと判定された. 上下顎新義歯により咬合の再構成を行った. 上顎はTi-6Al-4V合金の超塑性成形, 下顎は鋳造純チタンによるメタルフレームの義歯を装着した. 考察: リコールを継続し, 13年経過した. 超塑性チタン合金床義歯は, 口蓋部に薄い床を希望した患者の要望を満足させることができた. 超塑性成形によるレストと連結子は良好な適合性と強固な支持と把持の効果を発現し, このことが長期にわたる機能の保全に効果があったと推察された. 結論: 本症例からはチタン合金の利点が確認されたとともに, 残存歯のメインテナンスの重要性が明らかとなった.
ISSN:0389-5386
1883-177X
DOI:10.2186/jjps.51.340