直腸癌術後左大腿内転筋転移の1切除例

症例は56歳女性.33歳から全大腸型の潰瘍性大腸炎を指摘されていた.2005年9月,直腸癌RbP,type 3,cAI(vagina),cN2,pM1(両側鼡径リンパ節)に対し,腹仙腹式直腸切断術(D3 prxD2),大腸全摘術,回腸人工肛門造設術,および両鼡径リンパ節部分切除術を施行した.病理組織学的所見ではRbP,type 3,68×30mm,moderately differentiated adenocarcinoma(mod>por),pAI(vagina),pN2,ly2,v3,pM1(両側鼡径リンパ節),Cur C,f-stage IVであった.FOLFIRI療法10サイク...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 64; no. 1; pp. 24 - 28
Main Authors 山岸, 茂, 今田, 敏夫, 沼田, 正勝, 五代, 天偉, 利野, 靖, 大島, 貴, 佐藤, 勉, 益田, 宗孝, 國崎, 主税, 藤井, 正一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2011
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.64.24

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Summary:症例は56歳女性.33歳から全大腸型の潰瘍性大腸炎を指摘されていた.2005年9月,直腸癌RbP,type 3,cAI(vagina),cN2,pM1(両側鼡径リンパ節)に対し,腹仙腹式直腸切断術(D3 prxD2),大腸全摘術,回腸人工肛門造設術,および両鼡径リンパ節部分切除術を施行した.病理組織学的所見ではRbP,type 3,68×30mm,moderately differentiated adenocarcinoma(mod>por),pAI(vagina),pN2,ly2,v3,pM1(両側鼡径リンパ節),Cur C,f-stage IVであった.FOLFIRI療法10サイクルで両側鼡径リンパ節がCRとなりCEAも一旦正常化したが,2007年9月CEAが33.1ng/ml まで上昇し,PET検査で左大腿部に集積を認め,穿刺吸引細胞診で腺癌と診断された.同月,直腸癌左大腿転移の診断にて,左大腿腫瘍切除を行った.組織学的には低分化腺癌で,免疫染色の結果から直腸癌の転移と確認された.術後,CEAは正常化し,転移巣切除から27カ月経過した現在,無再発生存中である.大腸癌の骨格筋内転移症例は非常にまれであり若干の文献的考察を加えて報告した.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.64.24